第一次世界大戦の戦訓により、有事には小型軽快の駆潜艇を建造する事とし、その試作の意味で軍縮条約制限外艦として昭和8・9年度計画により建造されたのが本型である。

 2基の投下条と浮上潜水艦を攻撃する為の40ミリ機銃、水測兵装としてUSサブマリン・シグナル社のMV式水中測音器と93式水中探信儀を装備しており、対潜艦として極めて優秀な艇であったが、当時の日本艦艇の通弊である復元性と強度の不良からは逃れられず、引渡後も造船所で大幅な改善工事を受ける羽目に陥った。
 さらに、ディーゼル主機も高性能を追求したあまり不調となり、その対策に非常な労力を払う事になる。

 その他、日本の小型艇としては唯一、二枚舵を採用しているが、あまり成果は上がっていない。

 開戦後は南方に進出、浅吃水で航海性が悪い為、進出には非常に手間がかかったが、進出後は使い勝手の良い艇として好評をはくした。

 本型は2艇が建造され、1号艇は終戦時にスラバヤに健在、2号艇は潜水艦の雷撃により喪失している。

第1号駆潜艇要目(新造時)

 名  称   第1号型
 ネームシップ  第1号駆潜艇
 建造時期  昭和9年3月24日〜昭和9年3月25日
 建 造 数 2隻
 基準排水量  266トン
 全  長   65.30m
 水 線 幅   5.90m
 吃  水   1.43mm
 主  機   艦本式22号8型ディーゼル機関 2基
 推 進 軸 2軸
 主  缶   −−−
 出  力   3400馬力
  計画速力  24ノット
 航 続 力 14ノットで1500浬
 燃料搭載量  重油26トン
 乗  員   65名
 兵  装   40ミリ単装機銃 1基
 爆雷36個(投下条1基 ) 
同型艦:
第1号、第2号