日露戦争後の明治44年度計画における外地警備用砲艦(海江両用)。

 <宇治>で不満足だった各部の改定をおこなった改良型で、航海性能と居住性を増す為に船首楼甲板を設け、武装も前部砲を12センチに改め、缶もイ号缶を採用し1600馬力とし、2ノットの高速化に成功した。

 第一次世界大戦で青島攻略、第二次大戦の香港攻略の他に大きな作戦を経験していないが、南支・中支の警備に地道な活躍を残した隠れた功労艦。

 昭和19年、香港で触雷沈没。一端は浮揚されるも、修理中の昭和20年1月22日に爆撃をうけ大破。放棄された。


嵯峨要目

 名  称   嵯峨
 ネームシップ  −−−
 建造時期  大正元年11月8日
 建 造 数 1隻
 常備排水量  785トン
 垂線間長   64.00m
 水 線 幅   8.99m
 吃  水   2.31m
 主  機   直立3気筒3段膨張式レシプロ機械 2基
 推 進 軸 2軸
 主  缶   イ号艦本式水管缶(石炭専燃) 2基
 公試出力   1600馬力
 計画速力  15ノット
 航 続 力 −−
 燃料搭載量  石炭190トン
 乗  員   70名
 兵  装   12センチ単装砲 4基
 8センチ単装砲 3基