フィギュア製作記#0 水瀬名雪


 1/8水瀬名雪(コトブキヤ)の製作記です。なんで「北へ。」コーナーで「Kanon」の名雪ちゃんかというと、私、レジンキットは商船やら艦艇は作った事あるんですがフィギュアは作ったことがなく、僅かに大昔にメタルフィギュアを塗った経験があるぐらいです。
 それで、いきなり「北へ。」フィギュアに手をだして失敗したら嫌だったので練習&リハビリという事で少なくとも「北へ。」フィギュアより安いし、北の街繋がりでもある「Kanon」の「水瀬名雪」にしました。
 (値段ならときメモシリーズの方が安いのですが、やはり思い入れの無いキャラは塗りたくないので・・)
 初めてなので解説を込みにした製作記という形にします。



 剥離剤落し

 フィギュアを箱から出すと、まずパーツ確認。全部のパーツの無事を確認すると早速製作開始です。
 レジンフィギュアは型から外れ易くする為に剥離剤が付いているので、これを落とす必要があります。剥離剤がついたまま作業すると塗料が剥げたり接着が取れて大変悲しい思いをする事になるので、たとえ「手抜きコース」で行くとしても、これだけは念入りにやっておく必要があります。

 中性洗剤を入れた水に漬けて1晩置いて、クレンザーと中性洗剤を混ぜたものを歯ブラシに付けてゴシゴシ擦るというのが基本ですが、中性洗剤を混ぜた水で煮るなどという荒業もあります。また、市販の剥離剤落しや車用のブレーキクリーナーなどを使う方法もあります。

 今回は「ブレークリン」なる車用のブレーキクリーナーを使って見ました。が、その後不安になったので、さらに1晩付けて歯ブラシで擦りました(笑)


 バリ取り

 レジンキットは型にはめて製造しますから、型の接合面にはバリやパーティングラインがついていますし、表面に小さい傷や気泡がついている場合があるので、これを取ります。ついでに、表面のヤスリがけも行なっておきます。
 この工程は切って、バリをニッパーやカッターで切る、パーティングラインをカッターや紙やすりで磨く、気泡や傷をパテで埋める、表面を紙やすりで磨くを延々と繰り返して行ないます。

 キットによっては壮大なバリがついてたり、肉が欠けてたり、パーティングラインというよりは接合面の歪みだったりで箱を開けた瞬間にやる気が失せるものもありますが、今回の「水瀬名雪」やターゲットの「春野琴梨」「ターニャ・リピンスキー」は何れも状態が良いので(フィギュアを作るのは始めてなんだけど、フィギュアってみんなこんな良い品質なのかな?)、キャラ目的で「手抜きコース」で作る場合、かなりこの工程をはしょる事が出きるとおもいます。(でも、他の部品との接合面のバリは取っておかないと組み立てられないので、最低それだけはやっておきましょう)

 慣れないとバーチングラインが消えずにモールドだけ削ったり、傷を取るはずが逆に大きな傷をつけたりして意外と大変な工程です。人によってはこの工程がフィギュア作成の山場という人もいるようです。


 穴あけ

 組み立て時の補強&塗装時のとってを取りつける為にパーツに穴をあけます。
 穴あけはピンバイス(ドライバーのようなドリル)で開けます。レジンは柔らかいので貫通させてしまわないように気をつけます。
 
穴あけの位置を決めるのは結構難しいのですが、このキットはモールドされている穴あけ位置がかなり正確みたいなので、信用して穴をあけました。
 穴はかばんやら手がφ0.5mm、首や足がφ1.0mm、今まで1/700とかのキットばっかり作ってきたので大きな穴をあけるのを躊躇した結果ですが、首とか足はもう少し大きな穴のほうがよかったかもしれません。
 穴をあけたあと、真鍮線を通し、マスキングテープで仮組してみました。


 下地処理

 塗料の乗りを良くする為にサーフェイサーなるものを吹付けます。
 サーフェイサーを使わないで塗る技法もあるようですが、私がやると絶対に凸面が剥げそうなので無謀なことを考えずにサーフェイサーを使う事にします。

 サーフェイサーはグレーが一般的ですが、艦や船は船体色がグレーや黒なのでいいとして、フィギュアは肌色やピンクの部分は下地の方が色が濃くなってしまうので、ホワイトのサーフェイサーも使われます。

 今回はホワイトのスーパーサーフェイサーW(タミヤ)を初めて使って見ました。が・・キットの下地が白色なので塗り漏れがあったり、妙に厚ぬりしてしまったりと意外に難しい事が判明。本番はグレーのサーフェイサーを使う予定です。
 また、サーフェイサー塗布後、表面がザラつくのが気になったので軽くヤスリをかけました。


 彩色(エアブラシ1)

 いよいよメインイベントの彩色。実は私はかなりキツイ色弱でしてこういう作業は向いてないのだけど、まあ自分の趣味で作るもんだから、自分が見えているように塗ればいいやってことで適当に色を決めます。
 ここまでの工程は艦を作るときとあまり変らないのですが、色については艦では光沢色はうそ臭くなるので御法度ですし、1/700程度のモデルではシャドウやハイライトもあまり入れませんが、フィギュアは両方ともありなので大きく異なるので、いよいよ正念場といった所です。

 薄い色からラッカー系塗料でエアブラシを使って塗って行きます。「薄い色からだから、肩の部分からだね。凹んだ部分を先に塗るんだっけ?」などと基本から思いだしながらトリガを押すと・・・強烈なエアが出てパーツを吹き飛ばしてしまいました。いかんいかん、レギュレータの調整忘れてた。気温が高いのでエア缶も絶好調のようです。
 次いで肌、制服、髪の毛・・髪の毛は面積が広く色ムラが出そうだったので、こころもち溶剤を多い目に入れたのですが、しっかり青紫の綿アメをフィギュアに吹付けてしまいました。(塗料が薄すぎると塗料が蜘蛛の糸状になってしまう)

 また、彩色中にキットを支えていた台(発砲スチロールにアルミ棒を指したもの)を転倒させてしまい、ほっぺたに強烈な色ムラを作ってしまいます。小手先の技でどうにかなるようなレベルでは無かったので、溶剤で洗う事に・・中途半端だと余計にめんどくさいので徹底的に洗いますが、ラッカー系塗料なのでサーフェイサーも溶けてしまい一工程バック。まあ、モールドが溶ける心配はしなくてもいいからマシといえばマシですが・・


 彩色(筆塗り1)

 エアブラシを使うほどでは無いけど、それなりの面積のある部分を筆塗りします。
 本来はそういう部分もエアブラシを使ったほうがいいのですが、塗料の調合(市販色を使う場合でも、エアブラシで使うには濃すぎるので、薄めてやる必要がある)やら、終わった後の手入れ(使う時間の3倍はかかる)やらがめんどくさいので低い方に流れてしまいました。
 ラッカー系塗料は乾燥が速く、あまり筆塗りには適していない上に私の「広い面積を塗る経験値」は極めて低い(艦の広い面積の部分といえば舷側とか甲板だけど、どっちもスプレー缶で塗っているから筆塗りする事ない)ので、まあ、私の「エアブラシ技能」ではエアブラシを使ってもムラを出すんだから、ある程度の筆ムラが出てもしゃあないか・・って事で妥協です。

[ 以下製作中 ]