北海道な食べ物


 白い恋人(石屋製菓)

 クッキーでホワイトチョコレートを挟んだお菓子。
 北海道の定番土産として全国的に有名です。誕生は昭和54年なので歴史は浅いのですが、下手な伝統的銘菓より高い知名度を誇っています。
 値段が手頃で日保ちして、個別包装で量も多いので会社へのお土産などに特に最適です。

 クッキーが甘ければホワイトチョコレートも甘いので、甘い物が苦手な人に向きませんが、そうでなければ1こ2こ食べる分には非常に美味しいお菓子です。
 少々コクがありすぎるので、沢山食べると気持ち悪くなるかもしれません。まあ、沢山食べるようなもんじゃないですが・・・

 なお、液体の「白い恋人ドリンク」も売られていますが、そちらは「人類の味覚への兆戦」ともとれる強烈な飲料です。
 チョコレートドリンク、要は濃いココアなんですが、「なんでこれで液体を保っていられるのだろう?」と不思議に思ってしまう凶悪な甘さですので、甘みの許容範囲に自信の無い人は注意しましょう。(逆に自信のあるチャレンジャーはホットで飲んでみてください。すごいですから・・)

 北海道度:[定番]


 ロイズのチョコレート(ロイズ・コンフェクト)

 いわゆる「生チョコ」など、北海道の新名物のひとつ。なんで北海道でチョコレートかというと、ヨーロッパと気候や風土が似ているからとのこと。
 今回食べたのはピュアチョコレートのスイート&ホワイトと生チョコのオーレとホワイト。
 ピュアチョコレートはスタンダートなチョコレートでスイートは普通のミルクチョコレート、ホワイトはホワイトチョコレートです。生チョコレートは一時はやった生クリームを多用した柔らかいチョコレートでオーレがミルク、ホワイトはホワイトチョコレートです。
 いずれも厳選された材料で丁寧に作られています。

 よく「名物に美味いもんなし」といいますが、少なくともロイズのチョコレートにはあてはまりません。
 素直な味で、しつこくなくて、コクがあって、名物にしとくには惜しい逸品です。
 ここのチョコレートは伝統の技法とか匠の技がどうとかではなく、近代的な工場で生産される「工業製品」なのですが、コンビニで売ってるような大手製菓メーカーの大量生産品とは確実に一線を画しており、それでいて手頃な値段で大量に供給できているのですから、テクノロジーの運用かくあるべし、という理想ケースなのかもしれません。

 北海道度:★★


 ミュラー・トゥルガウ完熟遅摘 1998(北海道ワイン)

 北海道の浦臼町で採れたミュラー・トゥルガウ(葡萄の品種)を醸造して作ったワイン。
 「完熟遅摘」とは、ドイツ風にいえばシュペートレーゼといったところでしょうか。もっとも、日本には葡萄の収穫時期や方法に関する法律はないので、ドイツのような厳密な等級ではありませんが・・
 リースリングとシルヴァーナを交配させて作られたといわれるミュラー・トゥルガウはリースリングと混醸するとリースリングの鋭すぎる部分を包みこんで素晴らしいワインにする事で知られる品種ですが、単独で醸造しても微かなマスカット香と上品な柔らかい甘味とフレッシュな風味が魅力のワインになるとされています。
 このワインはまさにそんな味で、マスカット香、穏やかで上品な甘味、すっきりした後味と非常に素直な好感の持てる味に仕上がっていて、デザートワインにピッタリです。

 私はドイツワインが好きなんで、こういうしっかりしたドイツ系のワインが国産されるのは非常に嬉しいです。向こうにはワインには旅させちゃいけないということわざがありますが、ドイツと日本は遠いだけでなく、航路によっては赤道付近を通ったりするので絶対にワインにとって良い訳ないですから・・
 でも、国内のワイン業界って惨憺たるもので当面はアテにできないというのが正直なところです。たとえば、このワインはしっかりと作ってあって、能書きに「100%正真正銘の生葡萄酒」なんて書いてあります。が、いちいち「100%」と断っているのは、国産ワインには100%じゃないものがあるという事です。ドイツでは酸化防止剤(亜硫酸Na)以外のものを混ぜたら犯罪ですよ・・(ただしQbA以下の普及ワインには醸造段階で補糖を行なう事が許されています)
 ついでに販売店もいいかげんな店が多く、これも値札に「小樽産」なんて書いてありました。たしかに北海道ワインは小樽の会社ですが、葡萄畑は浦臼(札幌と旭川の間にある、町です)なんだから、浦臼産とすべきで、これもドイツやフランスでは犯罪になります。

 このワインの感想ですが、なるほどしっかりしてます。シュペートレーゼのラベル貼って売っても、たぶんバレないんじゃないでしょうか。ただ、私はリースリングの荒荒しさ(特に、安いワインはリースリングの荒荒しさが出やすいみたい)に慣れてしまっているので、これの上品な甘さは、ちょっと物足りないような感じがしました。
 リースリングはよく「気性の激しい女王」に喩えられますが、それを包み込むミュラー・トゥルガルは「温和な貴婦人」といった所でしょうか。

 北海道度:★