昭和6年度計画の掃海艇。第1号型の改良型で居住性の向上と機雷敷設能力の強化が行われている。
 何でも巨大化する傾向のある艦艇としては珍しい事に、改良型の方が基準排水量が20%近くも小さいという現象を起こしている。
 第1号型6隻の次が第13号型と不自然であるが、これは昭和6年当時、旧式駆逐艦を改造した第7号〜第12号掃海艇が在籍していた為である。

 掃海艇の機雷敷設能力を強化するというのも不思議な話であるが、もっと不思議な事には当時の敷設艇は掃海具の搭載が可能で、第二線艦艇にあれこれ積みたがる日本海軍の性分がよく現れている。

 6隻が建造されたが、逐次改定を行ないながら建造した為に2隻づつ微妙に設計が異なっており、特に17・18号は海軍を震撼させたトップヘビー問題の影響をうけて大きく設計が変更され、ついでに主機もレシプロからタービンにあらためるなど、大きく異なっている。

 第1号型同様、太平洋戦争では、掃海任務よりも船団護衛などの任務に使用された。
 

第13号型(新造時)

 名  称   第13号型
 ネームシップ  第13号掃海艇
 建造時期  昭和8年8月31日〜昭和11年4月30日
 建 造 数 6隻(うち2隻は第17号型と称する場合がある)
 基準排水量  525トン(第17号型578トン)
 全  長   74.0m(第17号型72.5m)
 水 線 幅   8.20m(第17号型7.85m)
 吃  水   2.07m(第17号型2.5m)
 主  機   直立3段膨脹レシプロ機械 2基
(第17号型艦本式オールギヤードタービン 2基)
 推 進 軸 2軸
 主  缶   艦本式ロ号水管缶(石炭・重油混燃)
 出  力   3200馬力
  計画速力  20ノット(第17号型19ノット)
 航 続 力 12ノットで2600浬
 燃料搭載量  石炭53トン 重油23トン
(第17号型石炭110トン 重油47トン)
 乗  員   98名(第17号型94名)
 兵  装   12センチ単装砲 2基
 13ミリ単装機銃 2基(第17号型連装機銃 1基)
 爆雷投射機(K砲) 2基(第17号型Y砲 1基)
 機雷敷設軌条 2基

同型艦:
 第13号〜第18号