昭和12年度計画および14年度、16年度計画(急計画)の掃海艇。

 従来の日本掃海艇の特色であった機雷敷設機能を廃し、砲力の強化を図っている。
 12センチ単装砲が3基となり、敵側の哨戒艦が平甲板駆逐艦(10センチ単装砲4基)クラスであれば、冗談抜きで撃退して掃海する事が可能となった。

 また、14年度計画の第19号掃海艇より主砲を平射砲のG砲から丘越え射撃が可能なM砲に換装、ますます何の為の船なのか判らなくなっていった。
 また、16年度計画の第25号掃海艇より艦首のダブルカーヴェチャを廃し簡略化を行なったが、不徹底に終っている。

 昭和12年度計画で6隻(第7号〜第12号)、14年度計画6隻(第19号〜第24号)、16年度計画で28隻(第25号〜第52号)、17年度計画36隻が計画されたが、戦局の推移いより17年度計画の全てと16年度計画分のうち17隻(31、32、35、36、37、40、42〜)が建造中止となった。
 13号〜18号が欠番になっているが、これは昭和6年度計画の掃海艇に付けられている為で、ならば19号から付ければいいものを、第7号〜第12号掃海艇(旧式駆逐艦改造の掃海艇)のリタイアで空いた番号に12年度計画分を埋めた為、第1号〜第6号が大正9年度、第7号〜第12号が昭和12年度、第13号〜第18号が昭和6年度、第19号〜が昭和14・16年度とややこしい番号がついてしまっている。

 太平洋戦争では磁気機雷の出現もあり、主に哨戒や船団護衛に使用され23隻中18隻が失われているが、航続距離の短さから活躍したとはいえない結果となった。

第7号型(新造時)

 名  称   第7号型
 ネームシップ  第7号掃海艇
 建造時期  昭和13年12月15日〜昭和19年7月17日
 建 造 数 23隻(うち17隻は第19号型と称する場合がある)
 基準排水量  630トン(第19号型648トン)
 全  長   72.50m
 水 線 幅   7.85m
 吃  水   2.60m(第19号型2.61m)
 主  機   直立3段膨脹レシプロ機械 2基
 推 進 軸 2軸
 主  缶   艦本式ロ号水管缶(石炭・重油混燃)
 出  力   3850馬力
  計画速力  20ノット
 航 続 力 14ノットで2000浬
 燃料搭載量  石炭118トン 重油48トン
(第19号型石炭105トン 重油40トン)
 乗  員   103名(第19号型105名)
 兵  装   12センチ単装砲 3基
 25ミリ連装機銃 1基
 爆雷投射機(Y砲) 1基
 爆雷投下軌条 1基

同型艦:
 第7号〜第12号、第19号〜第41号(31、32、35、36、37、40号欠)