特設救難船

 救難船とは陸に乗り上げたりした船を引っ張ったり、地面を削ったりして救難する船である。
 日本サルベージなどは専用の船を建造していたが、大きなデリックと牽引の為の機構があれば専用船である必要はないので、海軍では専用船は建造せず、徴用も日本海難救助(日本サルベージが社名変更)から<祐捷丸>を取った他は一般船を改造して使用した。

祐捷丸(日本海難救助)

 帝国サルベージが東京サルベージに対抗して昭和2年に建造した高性能救難船。
 昭和9年に<静波丸>が就役するまでは日本最良の海難救助船として活躍した。
 昭和12年9月、日本郵船の<浅間丸>(1万6947総トン)が香港で座礁し、離礁が絶望視される事故が起きたが、香港に出動した本船の粘り強い救難作業により約半年後の翌3月に離礁に成功した。


特設救難船一覧
船名船主総トン数終末・備考
浦上丸福洋汽船431719.3.30 空襲により沈没
祐捷丸日本海難救助80718.9.3 触雷により沈没
桂川丸東洋海運142819.12.17 事故により放棄
春日丸拿捕船151520.1.21 空襲により沈没
尊條丸引揚船80020.4.17 触雷により沈没
新鳩丸引揚船50720.8.10 除籍
賓嶺丸引揚船160020.8.10 除籍
賓辰丸引揚船100019.7.25 空襲により沈没