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駆潜艇とは


 駆潜艇とは、小型の快速艇にソナーや爆雷を装備した対潜艇で、主に沿岸・泊地など局地防御用に使用され、英米の「Submarine Chaser」または「Patrol Bort」に相当する。

 第一次世界大戦の戦訓と潜水艦の発達に対応すべく、ロンドン条約下昭和8年度計画で第1号型を建造。

 続いて復元性不良などにより設計をやりなおした第3号型、第4号型が建造された。
 また、潜水艦攻撃には最低25ノットは必要との観点から高速型である51号および53号型も建造された。

 これらの艇はいずれも優秀であるが精巧・複雑で量産には向かず、船型も小型に過ぎた為、大型で量産型というべき第13号型・その改良型の第28号が建造された。

 400トンを越える大型の13号型の登場により、それまで特務艇の一種だった「駆潜艇」が艦艇に昇格、ただし小型の51・53号艇型はそのまま特務艇籍に残り、「駆潜特務艇」となった。

 駆潜特務艇には、その他、木造の漁船構造で開戦直前・直後に合計200籍が建造され、護衛に掃海に大活躍した第1号型駆潜特務艇やジャワ方面で捕獲したオランダ軍の掃海艇なども整備後、日本海軍に編入された小型艇などもある。

 駆潜艇/駆潜特務艇は本来は局地警備艇であるが、北はアリューシャンから南はソロモンまで、警備・護衛・掃海に奮戦し、264隻(うち駆潜特務艇203隻)が建造され101隻が失われている。(戦利艇は除く)

 また、ここでは取り上げないが、多くの捕鯨船(キャッチャーボート)や漁船が徴用され、特設駆潜艇として活躍している。