痕と日本海軍



痕(きずあと)とは..

 リーフのパソコン版18禁アドベンチャーゲーム。(PS版が出るとか出ないとか)
 選択肢を選択する事で進行する、小説形式のマルチストーリー・マルチエンディングのリーフ・ビジュアルノベルシリーズの第2弾。
 父親の葬式に出る為に田舎に帰った主人公が夜な夜な見る悪夢、時を同じくして発生する連続殺人事件。「夢と現実、欲望と理性。そして癒されぬ痕」

 マルチストーリーで、「連続殺人の犯人探し」「前世の約束と一族の血」「鬼伝説」など、それぞれ別の展開で進行し、終わってみれば、すべての謎が解き明かされる絶妙なシナリオで、文章も巧く、ゲーム中におもわず涙が出てきました。
 基本的にノベル形式のADVは「小説の代用品」である事が多いのですが、絶妙なシナリオや雰囲気のある音楽が、代用品の域を越えさせています。
 「美少女ソフトだから」とか「SM系」(実はそんな事はないのですが、紹介写真やパッケージの写真やアオリが、そう誤解させる事があるようです。まあ、そーいうシーンもあるけど)だからといって避けてとおると人生損します。(そこまで言う?)
 あと、本作はゲームの他、ノヴェライズされたものが別の会社から発売されていますが、こっちは、はっきりいって出来が悪く、ゲームの「シナリオ回想」を読み返している方が良いです(^^;

このゲームはやっぱり楓ちゃん。物腰の静かなおとなしい16歳。
 主人公の前世の恋人で、主人公を想うのだけど、近づくと主人公に眠る「鬼」の血が覚醒しかねない為、主人公の為に想いを抑え、「鬼」の血を制御に失敗して姉に殺されそうになった主人公を身を挺して庇ったりする健気な娘。
 キャラとしてそれほど立っている訳ではなく、シナリオの出来では長女の千鶴シナリオの方が良いとも思うのだけど、何故か妙に惹かれるものがあった・・
 ゲームのキャラにここまで入れこんだのはひさしぶり(初めてかも)。

 どのぐらい入れこんでるかと言うと、私がいつも持ち歩くノートパソコンのLAN名は「kaede」、これが丁型なのか樺型なのか柏木なのかは軍機である。
 また、このページのバナーの駆逐艦のシルエットは丁型であるが、私は別に日本で一番奇麗な駆逐艦は丁型だと思っている訳ではない。いや、そもそも、「〜と海軍」と色々とこじつけて怪しげな文章を書いているのも、単に楓ちゃんについて、何か書きたかっただけ、という話も・・・

柏木楓駆逐艦楓

(左)「痕」より柏木楓(ゲーム画面キャプチャ後50%に縮小)。Copyright (C) LEAF 1996 (*1)
(右)イメージフォト「落日」。日本海軍・一等駆逐艦<楓>
   ↑「痕」のイメージフォトじゃないよ。日本水雷戦隊のだよ。念の為・・


発見!日本海軍

 柏木四姉妹は上から「千鶴」「梓」「楓」「初音」。

 柏木四姉妹の二番目、柏木梓は男勝りの勝ち気な女の子で主人公とは兄弟のような関係。でも、料理が得意で実は一途というお約束のキャラではある。
 日本海軍の「梓」は昭和19年計画の丁型(改丁型)、横須賀工廠で起工するも昭和20年4月17日、戦局の悪化に伴い建造中止。

 三女、柏木楓は上に書いた通り。でも百篇の言葉を重ねても表現できないぐらい萌え萌えなキャラ。
 日本海軍の方は2隻。初代の<楓>は大正3年計画の樺型。第二特務艦隊の一艦として地中海遠征にも参加した武勲艦で、天寿を全うし昭和7年に除籍。
 2代目<楓>は「梓」と同期の昭和19年計画の丁型。こちらは無事に完成し、1年ほど内地〜台湾で船団護衛を努め、終戦後は中国に譲渡され<街陽>となる。

 四女、柏木初音は四姉妹の一番下。主人公を「お兄ちゃん」と慕う、優しく思いやりに溢れた完全無欠の「良い子」。どうみても小中学生なんだが15歳という設定になっているのは「おとなの理由」からなんだろうか?
 日本海軍には「初音」という艦も存在しないが、明治36年度分の春雨型の命名候補に<初音>という名が見受けられる。

 長女の「千鶴」だけは同名の艦がない。<友鶴>が転覆しなかったら、四姉妹が揃ったかもしれないのに、残念。




*1 この画像データ(KZkaede.gif)は利用規定の適用範囲外です。利用についての詳細はリーフのHPをご覧ください。