Natural2 DUO
 Natural2 DUO

  フェアリーテール/F&C 定価:8800円  発売:2000年5月

 最近、不調気味のF&C(フェアリーテール)の18禁恋愛調教AVG/SLG。

 恋愛調教モノとして確たる地位を築いた「Natural 身も心も」のパート2ですが、ストーリー的な繋がりは全くなく、基本的なシステムを継承した全く別の話になっています。

 主人公は雑誌の編集者。祖父の死によって祖父が引き取って育てていた双子の姉妹と一緒に暮らす事になった、というストーリーです。
 「Natural」同様、ヒロインの告白と初Hシーンから始まりますが、今回は「PALETTE」のようなヒロインセレクトになっていて、鳥海千紗都と鳥海空の姉妹の片方を選んでスタートしますが、選ばなかった方のヒロインやサブキャラと結ばれる事もできます。
 進行は若干のパラメータのあるアドベンチャーパートが中心でヒロインに対しては特別なHシーン(SLGパート)があるという「Natural」と同じ方式です。

 CGや音楽は問題なし。シナリオも若干単調で中だるみがあったり、不自然な分岐があったりしますが許容範囲内。なんといってもメインのヒロイン2人とサブキャラ4人の圧倒的なボリュームのシナリオはお腹一杯って感じです。
 ただ、SLGパートがほとんど展開やEDに影響を与えていないようで、SLGパートで一切その手のコマンドを使わなくても、AVGパートのほかのキャラに対する選択次第ではヒロインを奴隷化したりする事があるのはちょっとどうかとも思います。

 システム的には中の下。メッセージスキップやキーの反応の遅さが気になるところです。F&Cのシステムは「With You」を頂点に、どんどんと退化しているような気もします。内容的にも芳しくないソフトを出してみたり、いったいF&Cに何が起きているんでしょうか。

 総合的な私的評価は「佳作」。ボリュームたっぷりの楽しめるソフトでした。最近不調気味のF&Cにしては大健闘ですが、不安感を吹き飛ばすまでには至りませんでした。
 しかし、F&Cのソフトは時々品薄状態になる事がありますが、今回も強烈な品不足状態でした。初回版が品薄なのはともかく、なんで翌週再版分まで品薄になるんでしょう・・・初回特典の問題とか、経営上の理由はあるんでしょうが、もうちょいどうにかならんのでしょうか・・・

 お気に入りは鳥海千紗都ちゃん。双子のうちのおとなしい方&家庭的な方。病人でもあります(爆)
 「Natural」同様、一途なラブラブ状態からのスタートなので浮気は罪悪感チクチクです。

ナチュラル2と日本海軍

 鳥海姉妹。家庭的な千紗都と活動的な空の双子、このゲームのメインのヒロインです。
 日本海軍は<鳥海>。ただし、こっちは「ちょうかい」と読みます。
 2隻存在し、初代は明治21年竣工の砲艦、日清戦争などで活躍しました。
 二代目は昭和7年竣工の高雄型一等巡洋艦。軍縮条約により排水量1万トン、備砲20センチ以下という「枠」が設定され、各国ともその枠内で艦の優劣を競った造船史における珍しい存在である条約型巡洋艦という奴です。
 高雄型は同系列の妙高型と並び非常に高い水準で攻撃力・防御力のバランスが取れた優秀艦であり、英米の条約型巡洋艦に比べて一歩抜きん出た高い戦闘力を誇っていました。(ただし排水量が制限を1割以上オーバーしているので条約型としては「失格」なんですけどね・・)
 高雄型は巨大な艦橋が特徴でしたが、これは「不可能を可能にするミラクル造船官」(とは呼ばれてはなかった)藤木造船少将が現場の要求を容れすぎた為で、後に艦の復原性が問題となった際に<高雄>と<摩耶>は艦橋縮小工事を行いましたが<鳥海>は工事の機会が無く、巨大艦橋のまま開戦を迎え、そのまま戦没しました。
 開戦後はマレー作戦、ミッドウェイ作戦などに従事。「艦隊殴り込み」として知られる第一次ソロモン海戦では第八艦隊の旗艦として僚艦7隻を率いてガダルカナルの連合軍泊地に夜間突撃を敢行、重巡<アストリア><クインシー><ヴィンセンズ><キャンベラ>を撃沈、<シカゴ>を中破したのに対し、我が方は<鳥海>小破という、あまりにも一方的な勝利を収めています。
 その後、第三次ソロモン海戦、マリアナ沖海戦などに参加。レイテ沖海戦(比島沖海戦)では栗田艦隊に属してレイテ湾突入を目指しますが、サマール沖で米護衛空母機の爆雷撃と駆逐艦の雷撃を受けて大破・航行不能となり味方駆逐艦<藤波>により処分されました。