シスタープリンセス
 シスタープリンセス

  メディアワークス 定価:9800円(初回限定版)  発売:2001年3月

 メディアワークスのプレイステーション用の恋愛ゲーム(?)。通称「シスプリ」。
 元は雑誌の連載記事でしたが、ゲームにアニメに小説にと幅広くメディアミックス展開中。
 登場ヒロイン12人は全て「妹」という完全な局地戦仕様となっています。

 形態的にはメニューで移動先を選択し、移動先に居たキャラとイベントが起きるスタイル。移動先に居るキャラは表示されますし、僅かにひっかけがあるものの、基本的にオンリープレイに撤していれば済むので難易度はかなり低く設定されています。
 面白いギミックとしては「血縁度」なるパラメータがあります。これは「好感度」とは別枠のパラメータで、「血縁度」が低くなると、ラストで「実は血は繋がっていなかった」というオチがつきます。
 システムの出来は今一つ。メッセージスキップが早いのと、プレイ開始時に「マイシスター」を登録すると移動シーンやメールを読むシーンで自動的にカーソルを合わせてくれる機能は良いですが、セーブ場所が固定だったり、メッセージの読み返しが無いのは減点対象です。

 シナリオ的には・・多くは語るまい。シスコンの主人公とブラコンの妹達がいちゃいちゃべたべたする話であって、シナリオがどうとか、設定がどうとかいう話ではありません。
 ヒロイン12人に血縁EDと非血縁EDがあり、それぞれベストEDとノーマルEDに別れている(一部、別れてないキャラもあるらしい)のでコンプリートには50回近い繰返しプレイが必要になります。

 トータルな評価としては・・・一言で喩えるなら「ギャルゲー界の<大井>」。「妹萌え」に全てを注力し、その他の要素を全て切り捨てた作品ですから非常に判定の難しい作品です。
 <大井>は片舷雷数20という誤植のような武装を持ち、巧く決まれば2隻で米太平洋艦隊を全滅させる事さえ可能な恐ろしい艦(ただし何かする前に爆散する可能性の方がはるかに大)でしたが、本作もそんな風な評価になるんじゃないでしょうかね・・「妹バカ」ゲーとして好意的に受け入れられるか、普通のゲームとしてクソゲー扱いされるか、たぶんどっちかだと思います。
 強烈に高いプレッシャーを持つゲームで、ある程度場数を踏んでいる筈の私でさえ第一印象は「ぐはぁ・・こ、この作品を遊ぶには私ではレベルが低すぎるかも・・」なんて感じでだましだましのプレイでした。(だんだんと慣れてきますが・・)

 お気に入りキャラは・・・個性的な妹が12人もいますが、やっぱりスタンダートに可憐かなぁ。主人公のことを「お兄ちゃん」とよぶステレオタイプな妹キャラ。ふつーの健気な女の子。
 イギリスから来た探偵マニアの四葉、料理上手の白雪、メカフェチの鈴凛あたりもいいですが。

シスプリと日本海軍

 白雪。自分の事を「姫」と呼ぶ料理上手の妹。通っている学校は違うのですが、毎日主人公に弁当を届けてくれるいい娘です。

 日本海軍の<白雪>は2隻。初代は明治39年竣工の神風型、2代目は昭和3年竣工の吹雪型
 2代目は横浜船渠で建造されました。横浜船渠は<氷川丸>や<秩父丸>といった銘船を建造した事で知られていますが、駆逐艦の建造は2代目<白雪>1隻のみです。ちなみに、現在は「みなとみらい21」として再開発され、1号ドックには元練習帆船の<日本丸>が係留保存され、2号ドックはライブステージになっています。

 <白雪>は日米開戦前から第四水雷戦隊に属し大陸方面に出動、ウースンや杭州湾への上陸作戦、仏印進駐、華南作戦などの支援を行なっています。
 開戦後は南方を担当する第三水雷戦隊に移り主に船団護衛や上陸支援に従事、エンドウ沖海戦、バタビア沖海戦、ベンガル作戦、ミッドウェイ作戦などに従事しています。
 昭和17年8月からはソロモン方面に転戦、第三次ソロモン海戦やガダルカナル撤収作戦で活躍していますが、昭和18年3月2日、ニューギニア方面の救援の為に僚艦7隻と伴に輸送船8隻を護衛してラバウルからニューギニアに向ったところを米航空部隊の待ち伏せに遭い、熾烈な攻撃を受けて敢え無い最後を遂げました。なお、この海戦では全輸送船と<白雪>を含む駆逐艦3隻が撃沈、2隻が大破する大損害を被り増援作戦は完全に失敗に終わっています。(ビスマルク海海戦)

横浜船渠1号ドック
元横浜船渠1号ドック(みなとみらい21)