週末の過ごし方と日本海軍



終末の過ごし方とは..

 アボガドパワーズの18禁アドベンチャーゲーム。
 「私がこの世界でする−−−最後の約束」
 あと一週間で人類が滅ぶ・・・へビィな設定ながら、「登場人物全員メガネ!」等という、訳の判らないウリ方をしていました。

 一応はノベル形式のアドベンチャーゲームという事になるんでしょうか。主人公視点のメインストーリーがあって、サイドストーリーが2本同時進行で流れるという形式なんですが、頻繁に視点が転換し、主人公以外の「選択肢」があったりで、アドベンチャーゲームというより、ドラマか何かを目指したのかもしれません。

 とにかく秀逸でイベンタブルなキャラクター設定が光るのですが、ゲーム内容は非常に淡白です。1週間後の「終末」に向けて、淡々と流れる日常を表現したかったのかも知れませんが、淡々としすぎ。その淡白な部分に濃厚なキャラクターを積めこんだものだから、魅力が活かしきれず不協和音に近いものすら感じてしまいます。
 たとえるなら、「最高の黒和牛と無農薬野菜で30倍辛いカレーを作りました」みたいな感じです。(しかも煮こみ不足)
 だいたいにおいて、ゲーム中に語られるキャラクター設定よりマニュアルのキャラクター紹介の方が詳しいという時点で、どうにかしているのですが・・・

 絵柄も綺麗。MMX対応の特殊効果もなかなか感じがよく、これだけの素材なら、普通の学園恋愛モノのノベル形式をスタンダートに作っても佳作、巧くキャラを活かせば歴史的名作の域に達したであろうだけにもったいない限りです。

 萌えキャラは・・・大村いろは。
 「感情を出さない」系で「独自の思考ルーチンで動く」、最近の定番のキャラではありますが、「心臓病」という伝家の宝刀(Hゲームじゃあまり見かけませんが・・)を携えています。
 関係ないですが、実は私も先天性の不整脈持ち。まあ、私のは「To Heartと輝く季節へが続けて発売されたもんだから、寝不足になって、発作が増えて困る」などとと笑っていられる程度なんですけど。
 ついでに手術痕が残ってしまう体質というのも同じなんで、妙な親近感を感じ、作中、「なんか、このまま死なれたら後味悪すぎ〜」なんて思ってました。



発見!日本海軍

 敷島縁。主人公の幼馴染。
 幼馴染といえば、ToHeartのあかりような身近過ぎる存在というのが最近の定番で、この娘も、一応はその系統で、主人公の心理描写では「妹のような存在」って言ってますが、定番であるところの「キツイくて素直じゃない性格」を兼務しているため、あまり「妹」のような感じはしません。
 他のキャラ同様、主人公のメガネに憧れて暗い所で本を読んだとか、いろいろと魅力的な設定なのですが、他のキャラ同様、設定が生かしきれてないのが全く残念です。


 日本海軍の<敷島>は明治29年よりスタートした第一期拡張計画によりイギリスで建造された排水量14800トン・30.5センチ砲4門の当時としては世界最大・最強の戦艦でした。
 日露戦争では第一戦隊に属して活躍、その後も第一世界大戦などにも参加しましたが、大正10年に海防艦に類別変更、大正12年にはワシントン条約により武装を撤去して練習特務艦に転籍、そのまま終戦を迎え昭和22年に解体されました。

 日本海軍の黎明期に建造され、終焉まで在籍した長寿艦だったため、二代目はありませんが、太平洋戦争では戦争末期に編成された自殺攻撃を目的とした最初の特攻隊である「第一神風特別攻撃隊」の一隊に「敷島隊」の名があります。
 昭和19年10月19日、第一航空艦隊は第201航空隊に対し『現戦局ニ鑑ミ艦上戦闘機二十六機ヲ持ッテ体当リ攻撃隊ヲ編成ス』の命令を発し、世界を震撼させる狂気の特攻戦が開始されましたが、その第一陣でした。
 「敷島隊」の指揮官は攻撃隊全体の指揮官でもある関行男大尉。5機の爆装零戦で編成され、10月25日、海軍航空隊の屈指のエース西沢飛曹長ら3機の直掩の元に出撃、タクロバン沖を航行中の機動部隊を発見。2機が空母<カリーニン・ベイ>に、1機が空母<セント・ロー>に命中しこれを撃破する「戦果」を収めました。