Prismaticallization
 Prismaticallization

  アークシステムワークス 定価:6800円  発売:99年10月

 アークシステムワークスのプレイステーション用アドベンチャーゲーム。

 「今日」を繰り返す。でも、前の「今日」とは少しづつ違った「今日」を繰り返し、「翌日」にたどり着けばEDという不思議なお話です。

 独創的なお話だけにシステムも非常に独創的で、「選択肢」によって分岐するのではなく、出来事を「記憶」しておき、次の1日で「解放」する事で分岐するというシステムです。
 説明だけでは判りにくいので実例を挙げると、主人公は同行者の柊明美の荷物を持たされているのだけど、明美が自分の荷物を持つ事を申し出る。ここで「自分の荷物を持つ明美」を「記憶」すると、次回のプレイの同じシーンでは記憶が「解放」されて、明美は自分で自分の荷物を持っており、分岐が発生する、といった具合。

 記憶できるのは5個までだし、「解放」は強制的に行なわれるので、かなりの周回をプレイする事になります。私の場合、システムをだいたい把握して最初のEDにたどり着くまでに60周強、全員のED(4人・CG抜け多数)にたどり着くまでに200周程度かかりました。
 もちろん、多周プレイが前提ですから1周のプレイ時間はノンスキップで30分程度、スキップ多用で数分なのでプレイ時間としてはむやみに長い部類には入らないのですが、基本的に「同じ1日」なので大きな流れが変わらず延々と同じ事をしている気分になり、システムを把握するまでに投げちゃう人も多数いるものと思われます。

 また、本作は主人公とプレイヤーが全く記憶の共有を行なわない(主人公に「前の今日」の記憶は無い)一人称モノとしては極めて珍しいスタイルな上にスキップを多用するシステムなので感情移入しにくく、むしろ、三人称モノの感覚で突き放して「読む」必要があると思われます。

 私が評価できるのはここまで。ストーリー的には作中に「夏への扉」「不思議の国のアリス」「夏の夜の夢」が登場し、なるほどそんなテイストがするなんて感覚は感じられましたが、本筋を理解するには至らず。
 どうでもいいような薀蓄や瑣末な描画は細かいのに、本筋は殆ど明言がなく示唆だけというこれまた不思議なシナリオになっています。普通なら「意味不明。ライターの独り善がりのせんずりシナリオ」と判断するところですが、本作はシステムや構成がプレイヤーにある程度のスペックを要求している部分があるので、シナリオも私の読解力や理解力のがその要求スペックに達してないだけ、という可能性もあるので保留とします。
 誰か、「おれはこの作品の本質を理解したぜ」という方がいらっしゃいましたら、ぜひご教授ください。

 私的評価は保留部分はありますが、「パニオニアは常に偉大である」という事で。

 萌えキャラは・・琴原みゆちゃん。うぅ、小学生だよ。
 うう、お兄さんが「痛いこと」して「感じさせて」あげるよぉ・・・え?もちろんほっぺたをぷにぷにするんですよ(笑)
 感情をオモテに出さないタイプ。相当な博識。その上、自分を離人症と分析するなど、とても小学生とは思えないです。(登場人物5人の中で一番「大人」かも・・)
 この娘は「時間の環」から抜けて記憶を保持できてるようで、主人公に念波を送りつづけており、「痕」の楓ちゃんに似ているといえば似ているので、私が惹かれるのは当然の結果なのかもしれません。

発見!日本海軍

 ちょんぼ・・・

 <柊>が大正期の二等駆逐艦にあったつもりになってレビュー部を書いたのだけど・・・春(椿)と夏(榎)があって秋(楸)と冬(柊)は無いんだった〜
 てなわけで、未発見。4000点オール・・・
 でも、海軍に<柊>はいませんでしたが、自衛隊には<ひいらぎ>がいました。(たしか、20年代に借りて、40年代前半に返還したアメリカのLSSLだったと思う)