フランス共和国


 維新直後は幕府に近かったことから忌避されたフランスであるが、明治時代中期には次第に勢力を挽回し、明治中期には日本海軍の招聘に応じ造船官エミール・ベルタンを送りだし、呉・佐世保の工廠建設を主導し三景艦や<畝傍><千島>など主力艦を売りこむなど日本海軍に極めて大きな影響を与え、勢力を回復しているが、その後、<畝傍>や<千島>の回航事故などで再び勢力を失っている。
 日本からフランスへの輸出は第一次世界大戦で不足した駆逐艦12隻を受託建造したもので、国土が戦場になった上に無制限潜水艦戦中という非常事態とはいえベルタンの招聘から僅か30年で立場を逆転させた「日本の奇跡(1回目)」を物語るエピソードとして知られている。

アルジェリアン

 日本海軍の樺型駆逐艦。戦時急造の駆逐艦で建造期間が約半年と非常に短い事が特徴で、ドイツと潜水艦戦を繰り広げるフランスには丁度良い加減だったと思われる。
 大正6年3月29日に正式に受託建造協定成立(建造は前年末より開始)。各海軍工廠と三菱、川崎造船所で建造され、大正7年9月19日と10月30日にポートサイドでフランス軍に引き渡された。
 艦名が民族名なので民族(トライバル)型とも呼ばれ、特筆すべき性能の艦ではなかったが、使い勝手がよかった為か第二次世界大戦の直前ごろまで使用されていたらしい。

アルジェリアン

 排水量595トン/全長82.9m/機関 レシプロ9500馬力/速力30ノット
 兵装:12cm単装砲1基 8センチ単装砲4基 45センチ連装魚雷発射管2基(兵装はフランス式に変更した可能性が高い)

 同型艦:アンナミト、アラブ、バンバラ、オーヴァ、カビール、モロカン、サカラブ、セネガレ、ソマリ、トンキノア、ツアレグ