ゼロ・パイロット〜銀翼の戦士〜

 ソフトハウス SCE
 対応機種 プレイステーション
 テーマ 航空機による対空・対地戦闘 
 規模 1機1プレイヤー(友軍機、AAGあり)
 展開 シナリオ連続型キャンペーン
 進行 リアルタイム

 「ヤマト」(日本機)と「ガーランド」(アメリカ機)との戦いを描いたキャンペーン型のゲームで、主人公は零戦等を駆って戦うヤマトの特殊部隊(特務部隊)の飛行小隊長。
 表題の零戦や紫電、烈風など戦闘機はともかく、九九式艦爆とか天山、二式飛行艇といった、普通では乗れないような珍しい機体にも乗れる事が特徴。しかし・・・・

 まず、フライトシミュレータとしては最悪。
 マヌーバーによる高度や速度のロスが殆ど無く、B29や二式大艇で空戦機動が行なえてしまう、「いったい、どーいう計算をやってんだ」という出鱈目ぶり。
 失速していても上昇する、空中で静止するなど、信じられない機動がポロポロ。
 爆撃や雷撃なんかは新鮮で楽しいのだけど、空戦シーンがひたすらに出鱈目なので興醒めしてしまう。
 マニュアルに「急降下爆撃は60°以上で行なえ」などと書いてあって、実際に90°等という、馬鹿な角度の急降下が一番、効率が良い等、とても、「フライトシミュレータ」と呼べる代物ではなく、「3Dアクションゲーム」と言ったほうが良い。
 (それなら、まだ許せる部分が無い訳でも無い)

 次に考証。これも論外。
 もちろん、「これはヤマトだ。どこにも日本帝国とは書いてないぞ」と言われるかもしれんが、零戦でミートボールマーキングで空母「大鶴」で、日本じゃないという言い訳は却下だ。
 ヤマトを日本だとすると、「マトモに調べる気があるのか?」レベル。
 格納庫からエンジン自力で出て行くとか、空母のエレベータで搭乗員も一緒に上がるとかは些細なコトで、主人公からして「士官学校を卒業後、飛行学校に通った新任少尉」という、「サクラ大戦(海軍少尉が主人公のギャルゲー)か?」と思わせる無茶な設定。
 空母の「休憩室」では士官と下士官が一緒に屯しているし、「士官室」には何故か二段ベッドがあって、少尉いるし、どーみても特務士官にしか見えない老士官が飛行隊長だし、下士官の前で士官を罵倒するし、挙げていけばキリがない。
 いったい、どーすればこんな物が作れるのか、デザイナーに聞いてみたいもんだ。

 続いてAV。これは及第点でビジュアルは充分に奇麗。
 動画も、ちゃんと三点で着陸するし、脚は片方づつ出すし、空母への着艦は着艦フックで降りており、評価できる。

 統括すれば、絵は奇麗だし、雷撃は楽しいし、二式大艇とB29の空戦はちょっと他では遊べないが、それ以外は・・・・・・・・

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