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 たまには親孝行?  
4/21
大阪→和倉温泉
4/22
和倉温泉→金沢→大阪 


兼六園1  
兼六園2  
日本三園のひとつ兼六園。
太平洋戦争の痕  
戦争の傷痕

 午前中に和倉温泉を発って金沢へ。金沢はバスが発達しているので、1日乗車券を購入して作戦開始。

 まずは兼六園。広大、幽遂、人力、蒼古、水泉、眺望の六勝を兼備するという事からその名がついた日本三大名園のひとつ。日本三大なんとかって奴は4つも5つもあったりする事がおおいのですが、三大名園は兼六園、偕楽園(水戸)、後楽園(岡山)でほぼ確定しているようです。
 ただし、どこが首座かという事になると、それぞれの派閥があり、さらには「三園を凌ぐ名園」を唱える栗林公園(高松)等も参戦してきて収拾がつかなくなります。

 ゆっくり園内を散策。連休前の平日ですが、向かいの金沢城で百万石博をやってるせいかガイドに率いられた分隊規模の集団が複数活動していたり、遠足なのか小隊規模の小学生の団体が出現したりとかなり賑やかでした。もっとも、有名な見所やみやげ物屋が北側(桂坂方面)に集中している為なのか西側の山崎山や東側の瓢池のあたりは人も少なくのんびりと楽しむ事ができました。

 丁度去年の同じ時期に栗林公園に行っているので思い返してみるに、単純な庭園としての趣では「一歩一景」の栗林公園の方が勝っているようにも思えますが、ポンプで犀川から吸い上げた水の流れる曲水や翠滝、土地の高低差を利用した噴水など(当時の)テクノロジーを駆使した「人力」の部分が妙趣を出しており、流石は日本三園と思わせるだけのものはありました。

 梅林の近くの松の幹に傷を発見。この傷は松根油の傷かぁ? なんて思ってたら、すぐ横にその旨の看板が立ってました。
 ちなみに松根油というのは松の樹液や根のチップを蒸留して生成したテレピン油のことで、オクタン価が高く航空燃料としても使用できる為(カーボンを多く含むのでプロペラ機には向きませんがジェット機なら問題ありません)、大戦末期、海上交通路をズタズタにされ南方から石油が入ってこなくなった日本が窮余の一策として国内で生産できる松根油の大増産を計画しました。
 目標は日産1万トン。開戦当時であれば原油ベースでさえ陸海軍の消費量を満たしてしまえる量で、本当に実現できるのなら「戦争はじめる必要なかったんではないかい?」という壮大なものでしたが、結局、成果が上がる前に終戦になりました。
 日本中で狂ったように行われたので、古い松林には矢羽型の傷が残っている事が多いのですが、兼六園の松も「動員」されていたんですね・・・

 桂坂口から入り、横方向に横断する形で1.5往復してほぼ踏破したので兼六園での作戦を完了し随身坂口から次の目的地へ。

金城霊澤  
金城霊澤
芋掘藤五郎なる人物が砂金を洗った泉だそうです。
写真では白い湯気のようなものが移っていますが、温泉ではなく
逆光だったので陽がさしてしまっただけです。
石川県立歴史博物館  
石川県立歴史博物館
元は金沢陸軍兵器支廠の兵器庫。重要文化財。
武家屋敷  
長町武家屋敷。

 まずは金沢神社。ここは前田家の始祖とされる菅原道真を祭った神社。直ぐ近くには金沢の地名の由来とも言われている金城霊澤もありましたが、流石に砂金は落ちてませんでした(笑)

 さらに進むと本多の森公園。美術館やら博物館やらが立ち並ぶ地域ですが、お目当ては石川県立歴史博物館。今回の旅行はそういう目的は無いにしても、一ヶ所ぐらいは見ておかないと旅行に行った気にならないのでとりあえず(笑)
 金沢には第九師団の司令部が置かれ、歩兵第7連隊、騎兵第9連隊、山砲兵第9連隊などが衛戍していましたが、この県立歴史博物館はそれらの部隊の兵器庫だった金沢陸軍兵器支廠を利用したものです。
 この他、兼六園周辺には第九師団の師団長官舎(現兼六園広坂休憩館)や師団庁舎(現石川県庁分庁舎)などが残っており、また、以前に「聖戦碑」で大騒ぎになった、国難に殉じた英霊を祭る石川県護国神社などもあります。

 再び一般観光客モード。香林坊を超えて長町武家屋敷を散策。今回の旅行はそれほど歩かない予定だった筈ですが、結局は相当歩いているような気も・・・
 土塀に囲まれたいい感じの町並みですなぁ・・しかし、こんだけ家が広くて古いと管理するのも大変だろうな、なんて俗っぽい事を考えたり。私の家は一番古い部分で築50年ぐらいなのですが、あちこちが傾いたり雨漏りしたり、鼠やゴキブリ、羽虫の類が大量発生したりで大変な事になっているのですが、こういう家は大丈夫なんですかね?

 昔ながらの町並みを抜けると大野庄用水。前日に雨が降ったのもあるのかもしれませんが、街中の用水とは思えないぐらい豪快な流れでした。
 用水添いの武家屋敷やら足軽屋敷を見物。野村家などでは茶室で庭園を眺めながら抹茶を頂くサービスなんかもあるようですが、不調法な庶民な私としては却って落ちつかなくなるので缶ジュースなど買って高田家跡のベンチで一休み。

 再び香林坊に戻り、今度は武蔵ヶ辻の近江町市場へ。とても盛況な市場でした。
 既に北陸のカニのシーズンは終っていて、出ているのは北海道産の筈ですが、それでも安い。夕方だった事もあり、「全部で3000円」とかどんどん値引きしていました。
 私が大きなカメラ(C-2100UZ)をぶら下げていて、いかにも観光客な格好だったので、先々の店で呼びかけられますが、ある店では母に「お姉さん、お姉さん。カニどう?」なんて呼びかけていました。還暦すぎた人にお姉さんはないと思うのですがね・・あんたらにはプライドというものが無いのか? と問いたい(笑)
 2人してカニやらエビを衝動買いしそうになるのを耐えつつ、市場を抜けるとそろそろ帰る時間なので金沢駅へ。

 金沢駅でおみやげ物などを選んだ後は特急「サンダーバード」で一路大阪へ。
 大阪−金沢は「サンダーバード」以外に「雷鳥」も走っていますが、JRで複数の特急が併走する区間に乗車する場合は時間的に少々無理してでも上位の列車にする事を考慮すべきです。
 最近はJRも随分と旅客本位になっていますが、料金はあくまで輸送重視時代の名残みたいな所があり、「雷鳥」と「サンダーバード」は料金は同じですが、使用している車両は20年以上の差があり、両者の差は歴然、特にグリーン車では同じ料金を払うのが馬鹿らしいぐらいの差です。(ついでに言うと、パーサーが乗務してドリンクサービスや弁当の手配までしてくれるJR北海道とおしぼりだけのJR西日本・東日本のグリーン料金が同じというのも少し納得できないものがあります。)
 なお、これには例外もあり、効率重視で「価格半分、寿命半分、重量半分、手間要らず」みたいな戦時標準船のような発想で計画された209系〜別名「走るンです」〜みたいな車両もあるので、一概に新型の方が「旅客サービス」で優れているとも言えず、山陽新幹線なんかでは「ひかりレールスター」の登場で「ウェストひかり」用の0系が「こだま落ち」しているのですが、これは2&2シート化されており、旧式車両とはいえヘタな新型よりも快適だったりします。

 さて、サンダーバードのグリーン車は1号車なので大阪行きは先頭車両。席も前の方だったので運転席の物音が聞こえてきます。
 『じりりり・・・』『キンコン、キンコン・・・』「あー、ATSが鳴っとるわ・・でも、いかにも「警告」って感じの警告音やら自動車の速度警告みたいな確認音を聞かされて一般の乗客は不安になったりしないのかな?」なんて思っていると『停車します。停車します。』と、機械音っぽい女性の声が。京都駅の手前でのことなのですが列車は特に大きな減速をする事もなく、しれっと京都駅に入線。いったい何だったんでしょう?
 一抹の不安を感じながらも、とにかく追突したり急停車することもなく、列車は無事に大阪駅に到着。全行程を無事に完了しました。

 次は・・・夏コミまでにもう1回ぐらいは出かけられるかな? 日帰りか一泊で岡山の後楽園を攻略して、夏コミのついでに水戸まで進出して三園制覇というパターンなんかいいかも。あるいはJASの誕生日割引で北海道か東北を攻めるというのも捨てがたいなぁ・・