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 岡山まで境なしの水路なり?
6/22
大阪→神戸→高松→土庄→新岡山→岡山
6/23
岡山→宇野→高松→大阪


 作戦2日目。一応、公式の目的は「後楽園見物」なので後楽園を見物、その後、再び海路で帰阪。

後楽園  
後楽園  
日本三園のひとつ後楽園。日本の庭園には珍しい直球勝負
鶴ボート  
丹頂鶴ボートってのははじめてみました。

 今回泊まった岡山チサンホテルは1泊朝食付で4600円(旅の窓口予約。禁煙室を希望しないとさらに安い)という素敵な値段の宿。別に汚いとか環境が悪いという事もなく、後楽園・岡山城や天満屋バスターミナルが徒歩圏にあり、JR岡山駅も徒歩で到達可能、ホテル前の電停から路面電車を使っても100円と立地も便利。朝食もビジネスホテルの朝食としてはかなりのレベルのバイキングで文句なし。しかも、客室の冷蔵庫のジュースや酒類、おつまみが市場価格(ジュース120円)ってのもたいしたもんです。

 荷物を宿に預けて後楽園見物。兼六園、偕楽園と並ぶ日本三園のひとつ。時間が早い事もあってのんびり楽しめました。
 朝の人の少ない時間を狙ったのか、三脚とカメラを抱えた人も数人うろうろしていました。で、その中にさらに数人、1人しか通れないような橋の真ん中に陣取ったり、フレームに入る人を追い払うような非常識な真似をする人がいて大変不愉快に。趣味の世界に没頭すると常識や良識を置いてきたくなるのは理解もできますが、いい大人なんだからマナーは守りましょうよね。

 後楽園の印象は・・「人力」が勝っている印象。兼六園や栗林公園が自然を詰め込もうとしているのに対し、後楽園は景観を作り出そうとしているような感じをうけました。芝生や花壇も多いし、西洋式の庭園に通じるものがあります。
 私的には兼六園や栗林公園の方が好みですが、直球勝負を愛する人はこっちの方がいいかもしれませんね。

 後楽園の後は月見橋を越えて岡山城へ。橋の上から下を見るとスワンボートが居ましたが、一匹だけ丹頂鶴ボートが混ざっていました。
 岡山城は大阪城などと同じく、鉄筋コンクリート製でエレベータも付いた復元城です。城内は博物館と展望台。2階の喫茶室では砂糖の代わりに小豆の入った珈琲ぜんざいなるものを食する事ができます。私はアイス珈琲ぜんざいに挑んでみましたが、小豆の甘みというのは結構コーヒーに会うものだと、ちょっと感心。
 岡山城の次は後楽園周辺の県立博物館や夢二郷土美術館をまわり、観光物産センターで土産物を調達して岡山での作戦を完了。帰路に着きます。

JR宇野駅  
新築の駅もなにか寂しいJR宇野駅
宇野銀座  
商店街の看板も壊れたまま・・・
こんぴら丸  
宇野港に入港中の<こんぴら丸>(宇高国道フェリー)

 復路も当然海路。宇野から高松に渡るべく、JR宇野線で宇野を目指します。JR岡山駅では列車の入線案内に「瀬戸の花嫁」、「線路は続くよどこまでも」、「ももたろう」など、いろんなメロディが使われて楽しいです。聞いた所によると、他に「いい日旅立ち」や「汽車」なんかも使われているそうです。
 宇野線のうち、いわゆる「瀬戸大橋線」と呼ばれる茶屋町までの線区は単線ながらもぱりっとした感じでしたが、茶屋町を過ぎると駅や周囲がくたびれているのが目立ち始め、やたらと長いホームと待避線だけが、かつてここが本四を結ぶ日本の動脈の一部であった事を物語たる、寂しいローカル線になります。

 小一時間で終点、宇野に到着。かつては本州と四国を結ぶ宇高連絡船の乗換駅でしたが、今ではただの盲腸線の終点駅。駅舎は妙にメルヘンチックな建物が新築されましたが、鉄道桟橋のあたりが再開発で更地になっていて、周囲に何もないだけに、よりいっそう寂しく感じます。
 フェリーターミナルに向かう途中の町並みも崩れそうなビルがあったり、アーケードの看板が壊れていたりと場末の雰囲気が全開だだ漏れ状態です。
 しかし、JRの鉄道連絡船こそ廃止されましたが、高松航路は健在で、いまだ宇高国道、四国、本四の3社のフェリーがひっきりなしに出入りしており(15分弱間隔)、完全に滅んだ訳ではない筈なんですが、この寂れ方はいったい何なんでしょう?

 さて、ここから海路。来るときに四国フェリーは使ったので、今度は宇高国道フェリーで渡る事に。宇高国道フェリーのターミナルは他の2社から少し離れた、駅から1kmほどの所にあります。
 乗船したのは<こんぴら丸>、961総トン、13ノット、搭載量は旅客488名、トラック23台と乗用車58台。
 旅客区画は1層+で前方がイス席の客室。売店を取り囲むようにソファー型のイスが配置されています。後方はラウンジ。ゲーム機や噴水が置かれていて一部露天。ゲームは「ゼロガンナー2」「ストライカーズ1945」「パズルボブル」など。
 屋上はプロムナードと浴室。なんで1時間程度の航路の船なのに風呂がついてんでしょう?

 宇野=高松航路は日本海難史上有数の大事故(昭和30年に宇高連絡船<紫雲丸>と<第三宇高丸>が衝突し、修学旅行中の小中学生100名を含む170名が犠牲になった「紫雲丸事件」)が起きた航路ですが、別に波が荒いとか潮が激しいという訳ではなく、普段は他の瀬戸内と同様にとても穏やかな海なので、瀬戸大橋を遠望しながらのんびりした船旅を楽しむ事ができます。
 約1時間で高松到着。高松側も宇高国道フェリーのターミナルは他社の旅客船やフェリーの発着する桟橋から300mほど離れた所にあります。なんででしょう?

JR高松駅  
にぎやかなJR高松駅
びっぐあーす2  
高松港に停泊中の<びっぐあーす2>(五島産業汽船)

 後は高速船で大阪直行ですが、出港まで2時間という微妙な空き時間ができてしまったので駅前を散策する事に。

 高松港は県営桟橋の待合室は閉鎖され、代わりに非常にでかくて綺麗な旅客ターミナルビルが出来ていました。ただ、切符の販売や船待ちはターミナル内に窓口や待合室があるにもかかわらず桟橋側の個々の建物でやっていました。これは将来統合される予定の暫定処置なんでしょうか?それともターミナルが使い勝手が悪いので外に流れたのでしょうか?
 ターミナルの陸側がJR高松駅。去年来たときは工事中でしたが、立派な駅舎が完成。綺麗な駅前広場が完成、桟橋の方でフリーマーケットをやっていた事も影響しているのでしょうか、賑やかで活気があり、宇野とは対照的でした。

 駅の近くの店でうどんを食べたり、フリーマーケットを冷やかしたり、用もないのに桟橋をウロウロしたりしている間に切符の販売開始時刻。切符売り場に向かいます。
 最後の船は五島産業汽船<びっぐあーす2>。296総トン、速力は42ノット、定員は300人。双胴型の高速船で、今回乗船した船の中では唯一の非フェリーです。

 この五島産業汽船という会社は長崎の五島列島の会社で、<びっぐあーす><びっぐあーす2>も高松や大阪ではなく、五島列島の有川港に船籍があります。なんで長崎の離島の会社が大阪=高松航路なんぞ運行しているかというと、この航路、かつては関西汽船と加藤汽船がジェットフォイルで運行していたのですが、架橋の影響により撤退する事になり、弱った小豆島が継承する会社を探した所、五島産業汽船が名乗りを上げたそうです。
 そーいえば、北淡明石航路の西淡路ラインの撤退を受けて参入した淡路ジェノバラインは婦人下着の販売会社ですし、東瀬戸の航路事情はなんだかよく判りません。

 <びっぐあーす2>にはグリーン席(一等)の設定があるのでグリーン席を利用。グリーン席は2階にあり一般席より広い目の座席が使用されていました。グリーン席といっても一般席との差額はたったの500円。JRのグリーン車なら3時間で5000円ですから、結構お得感があります。
 高速船らしい細かい振動を響かせて高松出港。小豆島の土庄、坂手と神戸に寄港して大阪の天保山(一部の便は先にユニバーサルシティポートに寄る)まで約3時間の航海。
 高松を出たときには乗客はグリーンは私のほかにカップルが1組、一般席もガラガラで危険な雰囲気でしたが、日曜の夕方の便ですからUSJに向かう客はほとんど乗ってないだろうから、そんなもんなんですかね。小豆島からは割と大勢乗ってきました。

 播磨灘を行き交う船を眺めながら高松駅で買った駅弁を食べたり、ビールでいい気分になっているとすぐに神戸到着。高速船は景色の変化が激しいから、フェリーより時間が短く感じるのでしょうか。
 神戸を出るとすぐに大阪。しかし、海から眺めると大阪や神戸は他とは全く景色が違っており、つくづく大都市だと思います。

 約3時間で大阪到着。大阪港に入る旅客船はUSJ便を除けば大型フェリーがほとんどで、南港フェリーターミナル(一部は南港国際フェリーターミナル)に発着していますが、この船は豪華客船などが入港した時に使う天保山岸壁の奥、天保山東岸壁を使っています。
 天保山岸壁が見えてきたので、1Fに降りて下船準備。ドアが開いていてボーディングブリッジが接続されるところでした・・・が、行き足が付きすぎて行き過ぎ。再度挑戦・・まだ速い・・・・今度は遅い・・・・そのうち、ぶっつけるのでは無かろうかと、不安になってきます。定期船でここまで下手な接岸は初めてでした。新人くんが練習でもしてたんでしょうか?
 6回目ぐらいのリトライでようやく接岸に成功。なにはともあれ、無事に大阪に帰還です。

 さて・・次回は・・夏コミですね。延長戦は水戸まで足を伸ばして三園制覇の予定。
 その前に突発でジェノバラインに乗り行くとかがあるかもしれませんが・・・

地図