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 岡山まで境なしの水路なり?
6/22
大阪→神戸→高松→土庄→新岡山→岡山
6/23
岡山→宇野→高松→大阪


 岡山まで後楽園見物に行ってきました。船で(笑)。
 もちろん、いかに大阪湾が旭川につながっているといっても、大阪−岡山の直行旅客便なんぞ何十年も前に廃止になっています。水島廻りのROROの中には旅客定員を設定しているやつもあるかも知れませんが、たとえ紛れ込めたとしても楽しい事はなさそうなので、乗換えを使って行くことに。

こんぴら2  
海上で<りつりん2>とすれ違う姉妹船<こんぴら2>(加藤汽船)
第1しょうどしま丸  
高松港に入港中の<第1しょうどしま丸>(四国フェリー)
にゅうおりんぴあ  
土庄港に停泊中の<にゅうおりんぴあ>(両備運輸)

 まずは四国・高松を目指します。高松経由以外では、小豆島に直行するコースも考えられますが、大阪発は季節便でこの時期は設定が無いし、日生や姫路発は陸行の部分が多すぎて今回の旅行の趣旨に反するので、素直に高松経由を選択。
 高松へは大阪からも五島産業汽船が高速船を就航させていますが(この船は小豆島にも寄港)、ダイヤの関係から、これは復路に使う事にして、神戸=高松航路を利用すべく、JRで神戸・三宮に向かい、そこから連絡バスで新港第三突堤へ。

 最初の船は加藤汽船の<りつりん2>。3664総トンで航海速力19.5ノット、搭載量は旅客425名と乗用車38台、トラック120台。姉妹船<こんぴら2>と共に神戸(三宮)−高松(高松東)を約5時間毎に3時間40分で接続。
 「ジャンボフェリー」の愛称がありますが、阪神に発着するフェリーでは最小だったりするから謎です。(高松港では最大)

 この航路は明石大橋・鳴門大橋の架橋で大打撃を受けて壊滅しましたが、加藤汽船は値下げや港の変更で対抗して唯一の生き残りとなりました。
 そういえば、パンフやポスターに矢部美穂なる女性を使ったり(私は芸能界には疎いので知らないのですが、色々やってる人みたいです)、イメージ曲を作ったりしているみたいですが、これも生き残り作戦の一環ですかね。でも、フェリーのイメージ曲というと、マリックスラインの「走れ!クイーンコーラル」なんてのもありますが、役にたってるんでしょうか?
 ところで、「走れ!クイーンコーラル」はアイドル歌手時代の南沙織が歌っている古い歌ですが、未だに使われており、<クイーンコーラル>船内の売店やマリックスラインのHPではCDまで売ってます。JRのいい日旅立ち、全日空の私の夏なども長持ちしてますが、交通機関は総じて物持ちがいいんでしょうか?

 この船は上部構造物が短い上に前方に偏っている独特のスタイルが特徴で、スリッパとかLSTとか工事進捗70%などと呼ばれています。
 船内は1Fは露天の車両甲板とエントランス、2Fが前部が一般イス席、中央部に売店、後方がドライバー室と浴室、3Fが前方が女性専用イス席、チャイルドルーム、授乳室、後方が一般カーペット席、4Fはスカイラウンジと称するゲームコーナーと露天イス席。ゲームコーナーにはガンダム等、船としてはかなり新しいものが入ってました。

 3Fの女性専用席は旧一等席で下の一般席より設備&見晴らしがよく、なんで同じ運賃を払って差をつけられにゃならんのか、納得できないものがあります。(トラックの運ちゃんもベッドや風呂など優遇されてますが、こちらはフェリーの収益を考えると納得できます)
 そら、深夜便や早朝便では見知らぬ男性と雑魚寝といのは抵抗があるでしょうから、女性専用席も必要かも知れませんが、昼行便にも設定するのはどんなもんでしょう?

 3時間40分、ほぼ定刻どおりに高松東港到着。JR高松駅や他のフェリーや高速船の発着する埠頭から少し離れているのですが、無料送迎バスが旅客船ターミナルまで出ています。


 次の目的地は小豆島・土庄。高松から岡山へ海路で向かうには小豆島を経由するコース、直島を経由するコース、宇野に直行するコース、丸亀や多度津から島伝いに渡るコースなど色々とありますが、ここは新岡山港に着く小豆島コースにします。
 小豆島へは高速船とフェリーの両方がでていますが、急ぐ理由がある訳ではなし、より船旅を満喫できるフェリーで行くことにします。小豆島行きのフェリー乗り場は多くの船が行き交う高松港の旅客船埠頭の一番端。連絡船時代の高松駅は知らないのですが、旧駅の位置からして鉄道桟橋のあったあたりでしょうか。

 乗船したのは四国フェリーの<第一しょうどしま丸>、993総トンで速力は14ノット、搭載量は旅客490名とトラック29台。
 1Fは車両甲板、2Fが旅客甲板でイス席で1面のみカーペット敷き。売店があってうどんなども扱っていました。
 2000年10月の竣工で今回乗船した中では最も新しい船ですが、典型的な瀬戸内海型のフェリーで少々面白みにかける部分があります。(半ば生活航路の船ですから面白みを求めても仕方ありませんが・・)

 高松でうどんを食べる暇がなかったので売店のうどんを食べました。しかし、高松のうどんは何処で何を食べても美味いなぁ・・基本的に名産というものは一握りの美味い店と大多数のろくでもない店で成り立っているものですが、讃岐うどんに関してはセルフ立ち食い店から観光客向けの高級店まで悉く美味いから不思議です。

 瀬戸内を行き交う船や島々を眺めつつ約1時間の航海で小豆島・土庄港に入港。下船した乗客たちはバスやタクシーなどでそれぞれの宿や観光地に向かいますが、私は次の便を探すべく旅客ターミナルに直行。


ブリッジ?  
いいえ展望デッキでした  
<にゅうおりんぴあ>展望デッキ
艦番号224?  
元ちくご型護衛艦<くまの>?

 土庄から新岡山までも高速船とフェリーがあるのでフェリーを選択。すでに入港して乗船を開始していたので早速乗船。ん、タラップやボーディングブリッジを使わずにランプウェイから乗り降りするタイプですか・・高速船併用だから徒歩旅客は少ないのですかね。
 乗船したのは両備運輸の<にゅうおりんぴあ>。690総トン、速力は13ノット、搭載量は旅客480名とトラック20台。

 右の一番上の写真はこの船の最上部デッキ。最近の船はレーダーだのGPSだの何だのと色々ついて、ブリッジというよりはコクピットと言ったほうがしっくりくる感もありますが、これは・・・・クラシックな舵輪のみがでーんとあってレーダーも無線機も無いシンプル極まりない設備。おまけに緊張感をそぐ様なイスまでおいてあって「やっぱり高速船で行きます!降ろして!」って言いたくなるようなブリッジですが・・・・・実は、ここは展望デッキ、本当のブリッジはこの下にあります。最上部デッキの前方が旅客に開放されているフェリーって珍しいですよね。
 展望デッキの下が本物のブリッジとゲームコーナー。ゲームコーナーの品揃えは標準的ですが、「G−LOCK」や「トップランディング」といったメンテに手間のかかりそうな大型筐体や機械物のプライズマシンがありました。内海航路の低速フェリーとはいえ、振動や動揺が無い訳ではなく、しかもドアが無いので潮風が吹き込むという、かなりの環境ですが、別に痛んでいませんでした。誰がメンテしてんでしょう?
 その下が一般客室。イス席が並んでいて後部が売店になっていますが、この日は営業していませんでした。

 下のキャビンも空いていましたが、せっかくの展望デッキなので、ここに陣取る事に。ちょっと風が強いですが、その方が感じがでるというもの。瀬戸内海の潮風をたっぷり満喫。
 瀬戸の島々や追越し、こんどは反航してくる高速船やプレジャーボート、遠くを走る貨物船などをのんびり眺めていると、途中の島影に中甲板から下だけになった護衛艦らしき船を発見。艦番号は224?去年除籍になったちくご型護衛艦の<くまの>ですかね。
 ちくご型は近海での対潜護衛用に建造された艦でアスロック(対潜ロケット魚雷)搭載の水上戦闘艦艇では最小と言われる小型の護衛艦(DE)です。元々小型艦なのですが、アスロック発射機や艦橋、煙突が船体に比べてかなり大きい為、より小さく見える事で知られていましたが、上物がなくなっちゃうと大きく見えるようで、ぱっと見はDDだと思いました。
 ところで、これは解体中なんでしょうか?でも、これ以上、ここでは解体できないですよね・・それともパージかハルクとして使われているんでしょうか?

 1時間で無事に新岡山港到着。ここからはバスで岡山市街を目指します。結局、天満屋バスターミナル到着が18時すぎ。家を出たのが8:00でしたから、所要時間は10時間強でした。ちなみに新幹線を使うと2時間弱、在来線でも3時間強で来れますから、我ながら物好きです。

 明日は後楽園を見て、海路で帰阪