ONEと日本海軍


ONE〜輝く季節へ〜とは..


 タクティクスのPC用18禁アドベンチャー。
 絆を、そして大切な人を初めて求めようとした瞬間。

 一見、「To Heart」や同級生系の、ありがち日常恋愛系なのですが、「タイムリミット」が『絆を失って世界から主人公が去る』という、哲学的というのか、不思議系というのか、奇抜な設定の成された異色の作品です。

 粗削りで、リーフの亜流であるとか、感情の表現が甘く、デザイナーとプレイヤーの感性が違うと「正解」を探すのに非常に苦労するとか、選択肢と結果が一致しておらず、ほとんど無意味な選択肢から物語の根底を成すイベントに分岐する為、セーブ&ロード無では攻略不可能なぐらい理不尽な難易度になっているとか、シナリオの説明不足で謎が最後まで残るとか、主人公がプレイヤーに「隠し事」をするなど、表現の技法に問題があるとか、バグがあって落ちたり、登録したCGが失われたりするとか、問題点が山盛りで、「クソゲー」としての資格は充分。

 しかし・・・キャラクターとイベントの設定の魅力は抜群。6人のヒロインすべてが、キャラが良く立って、感動のイベント/エンディングをもっており、数多の問題点を全てキャンセルして、差し引き佳作+域にまで引き上げています。
 はっきりいって、マルチやあかりが6人居るようなもんなので、クォリティが「To Heart」並だったら、「歴史的名作」になっていたと惜しまれる所ではあります。


 萌えキャラは・・・・巷では茜が優勢のようですが、私は、健常者3人より残り3人に萌えました。
 川名みさき。 小学6年の時に光を失った先輩。
 一見すると、おしとやかなイメージを与えておいて、実はカレー9杯。強そうに見せておいて、弱い。あらゆる意味で卑怯なキャラで、「クリスマス」「年賀状」「仕返し」のイベントでクラクラになっちゃいました。
 思えば、今まで、年上のキャラが最萌えなんて1回もなかったような・・・大艦巨砲主義者が航空機の威力を認めるようなものでしょうか?

 次いで上月澪。こちらは言語障害。
 口はきけなくても、筆談で意思を伝えたり、演劇部に属したり、明るく精一杯に生きる女の子。ただし、その精一杯は空回りしているが・・・
 「痕」の初音や「To Heart」あかりは『犬系』であるといわれるが、澪はまさに小犬を連想させる、本物の「犬系」だ。
 みさき先輩と澪の「会話シーン」は実はかなり悲壮な事(みさきは見えない、澪は話せない)なんだが、それを感じさせないのは二人の人徳でしょうか。

 椎名繭。精神障害。
 唯一の友としてきたフェレットが死んでしまい、その時に出会った主人公になつく。
 私は「艦も娘も小さい方が良い!」派であるが、「ピンクの髪の能天気ロリキャラ」はあまり好きじゃなく、「白痴系」と呼んで賎すさんでいたのであるが、この娘は髪はピンクじゃないし、能天気でもないが・・・
 ストーリーはあまり気に入らなかったし、相手が理解できてないのにHするというのは、どー考えても人道に外れる気がしたが、エンディングが良かったです。



発見!日本海軍


 里村茜ちゃん。想い人を待ちつづける健気な女の子。
 おそらく、「ONE」では人気No1ではないでしょうか。
 日本海軍の<茜>は戦時量産型駆逐艦である丁型駆逐艦(橘型)として計画されましたが、未起工に終りました。
 「茜」は当初は改(5)計画の5515号艦の予定名となったのですが、後に「葵」に変更され、かわりに(戦)計画の4803号艦が「野菊」から「茜」に変更されるという少々、複雑な経緯の名前です。(ちなみに両艦とも未起工)

 川名みゆきさん。上でも書きましたが、非常に良いキャラです。
 みさき先輩は大食ですが、日本海軍の<三埼>は前線に食事を届ける小型給糧艦となる予定でした。
 改(5)計画で杵埼型7隻のうちの1隻として計画されましたが、こちらも未起工に終りました。