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北へ。とフェリーと温泉と
12/29
大阪→敦賀
12/30
敦賀→小樽
12/31
小樽→札幌
1/1
札幌(終日)
1/2
札幌→函館
1/3
函館(終日)
1/4
函館→大阪


Xプラス4日(1月4日)

いかモニュメントと摩周丸  
ふれあいいか広場のいかをあしらったモニュメント。
後ろは元青函連絡船「摩周丸」
五稜郭  
五稜郭タワーから見た五稜郭
本当に見事な星型でした。
謎の物体  
五稜郭の中にあった謎の物体。
製作途中に放棄された雪だるま?結構大きかったです。
カチューシャ  
ロシア料理店カチューシャ。美味しかった。

 1月4日(晴)。函館観光ミッション2日目にして作戦最終日。天気は快晴。なんで半日行動の日に限って晴れるんでしょうね・・
 今日は朝風呂に入ってのんびり出発、昨日廻れなかった五稜郭方面を見てみやげ物を見繕って函館空港から帰阪の予定。
 とりあえず、荷物を置きに函館駅へ。今おもえば、湯の川温泉は函館空港の手前にあるのだから、荷物はホテルに預かっておいて貰った方が良かったみたいですが・・

 兎にも角にもJR函館駅。朝市などひやかして、昨日は吹雪でゆっくり見れなかった摩周丸の外見を由子さんと来た「ふれあいイカ広場」などから眺めてみたりしました。
 その後、バスで五稜郭へ。市電にも五稜郭公園前という停留所がありますが、バスの五稜郭公園前の方が、ちょっと歩く距離が少なくてすみます。

 さて、五稜郭。幕末に幕府が北辺の護りとして安政4年に着工、7年間かけて建設した、我が国最初の近代戦対応型の城砦のひとつで五芒星の形をしていることから、その名が付けられました。(実際は五芒星の凹んでいる部分にも突出部が設けられ、五芒星を2つ重ねた形になる予定でしたが、、実際に完成したのは現在、公園の入り口になっている1箇所だけでした)
 城の形状や目的、設計思想などでも充分特筆に価する城ですが、この城を有名にしているのはやはり、戊辰戦争で榎本武揚、大鳥圭介、土方歳三ら新政府に抵抗を続けた佐幕派の最後の拠点となった事でしょう。
 五稜郭に拠った佐幕派は選挙により榎本武揚を総裁に選出、蝦夷共和国の独立を宣言し新政府軍を迎え撃ちますが、主力艦<開陽>を座礁事故で失い、起死回生の宮古湾海戦も敗退した為にジリ貧となり土方歳三以下多くの将兵を失い、明治2年5月18日ついに開城、日本最後(より正しい表現なら「もっとも最近」)の内戦は終結しました。

 まず、五稜郭タワー。五稜郭の隣に立っている高さ60mの塔です。琴梨ちゃんのお父さんとお母さんも来たという場所。
 エレベータで上がる展望台からは五稜郭の独特の形を一望できます。もちろん、函館市街の眺望もなかなかのもんですが、市街の眺望が目的なら、函館山の方が274mほど高いのでそっちの方がお得です。
 タワーの展望台の土産物屋で変なものを見つけました。どこの観光地にもありそうな焼き菓子なんですが、宣伝文が「土方歳三の無念を想いつつ一枚づつ焼き上げました」。無念なんぞ御菓子に込めてどうするつもりなんだか・・もしかして、食べたら呪われる、呪いのアイテムなのか?
 そういえば、今回は見かけませんでしたが、数年前に函館に来た時は「土方歳三の血」などというトンでもないネーミングのワインも売ってましたし、函館の人のセンスっていまいち判りません。

 出たのが遅かったので、そろそろお昼時。一部では国内のファストフードの最高峰とも言われるハンバーガーショップ「ラッキーピエロ」にも惹かれるものがあったのですが、今回の旅行の目的を考えると、やはりロシア料理「カチューシャ」しかあるまい、という事で捜索開始。
 一応、作中の地図とかHPでだいたいの場所は知ってたのですが、慣れない雪の中、時間がかかりました。HPに書いてた「西武の前のアルペンとトヨペットの間に入って3本目の停止線」って言葉を頼りにしばらくウロウロしてようやく発見しました。

 「カチューシャ」。五稜郭の近所にある化学調味料を使わず日本人の味覚に合わせてアレンジしたロシアの家庭料理のお店です。
 今回食べたのはボルシチ、ピロシキ、ガルショーチョキ(パイ包みグラタンみたいなクリームシチュー)、バラの花のジャムのロシアンティーのCランチで1500円のセットでした。
 ・・・美味しい。今までロシア料理はあまり美味しいと思った事がなかったのですが、この店のは舌から鱗といいましょうか、ロシア料理に対する見方を変えてくれました。
 ただ単に北へ。繋がりだけで来たのだけど、正解でした。

 ゆっくり食事をとった後はお土産でも買おうかと、函館駅前に戻る事に。五稜郭にも土産物屋はあったのに、なんでそんな行動をとったのか、今では良くわかりません。
 会社用は・・現在、客先常駐で周囲には「正体」が露見してない(つもり)なので、奇を衒うよりは定番で「白い恋人」あたり、一般分は松前漬けあたりとお菓子類でいいかな・・などと思いながら函館駅のキオスクやら駅前の棒二森屋の地下などを物色。
 ふと、生チョコなんかいいかも知れない、と思いつき、折角なので(?)ロイズの生チョコを探す・・が、キオスクもボーニも六花堂のやつしか置いてない。
 五稜郭の土産物屋には売ってたよな・・・って事で空港行きのバスの時間があるというのに、五稜郭に逆戻り。結局、時間ギリギリで空港バスは間に合いましたが、もしバスに乗り遅れるてたら笑えない事態になるところでした。ちなみに、ロイズの生チョコは函館空港でも売ってました・・あせって走って損しました。

 函館空港のロビーでふと外を見ると、駐機スポットにANKの丘珠便でしょうか、YS−11が居ました。
 私、まだYSには乗ったことないんです。現役でいる間に是非いちどは乗っておきたいと思っていて、今回も札幌−函館での利用を考慮したのですが、函館空港は他に比べると悪天候に弱い部分があるようなので安全をとって鉄路にしたのですが、YSの方が良かったかなぁ・・
 関西圏では伊丹−徳島とか伊丹−松山で運航してた筈なので、そのうち道後温泉にでも行くことにします。
 YS−11は国産旅客機。急速に失われつつある航空機設計技術を次世代に伝える最後のチャンスとして飛燕の土井氏、零式戦の堀越氏などそうそうたるメンバーが集められた一大プロジェクトから生まれました。(実際は泰斗がモメて身動きできなくなり、若手が強引に仕上げたようですが・・)
 取扱いが容易で故障しにくい機体は特に設備が不充分な発展途上国で人気を博し、予想以上の売上を記録しました。しかし他社との競合から赤字販売を余儀なくされた事やコスト意識が低すぎて過剰品質の傾向があった事などから「売れば売るほど赤字が累積」という最悪のパターンに陥り結局、182機で生産終了となり、後継機の開発は中止となり会社は解散、我が国の独自航空機設計技術は事実上失われた事になります。

 ちなみに帰りに実際に乗ったのはボーイング767−300。B767−200をストレッチした比較的新しい機種で時刻表などの機種欄には「B63」と書かれます。
 YSより20年ほど新しい飛行機で、航続距離は同じぐらいですが、速力で2倍、乗客定員は4倍に増えてますから、技術の進歩って凄いですよね。
 今回は贅沢してスーパーシート。B63のスーパーシートは前の方を区切って使用しているのですが、私の席は81A、つまり一番前でした。
 一番前の席は前から落ちたら助からないとか、胴体着陸で炎上したときは生き残る確率が高いとか、そういう事は別にしても、足元に荷物が置けないので不便とか、客室乗務員の人と向かい合わせに座る事になるので、なんとなく落ちつかないとか、あまり良い事はありません。降りる時は先に降りれて便利なんですけど、別に急いでもしゃあないですからねぇ・・
 スーパーシートといっても、3200円高いだけなので、特に大したサービスがある訳じゃなく、JRのグリーン車と同じ程度、つまり椅子が大きくて前のと間隔が広いのと、毛布やジュースの御替りのような、客室乗務員の人に頼まないと出てこないオプションサービスがデフォルトで付いてるぐらいですが、ちょっとの違いが実は意外に大きく実感できて快適な旅が楽しめるのもグリーン車と同様です。

 函館空港から関西国際空港までたったの1時間35分。
 いよいよ近畿上空・・が、着陸が変。旋回のバンクは大きいし、エンジンはふかすし、上下するし、いったい何やってんだかって感じで、「どけ、オレが代わってやる。大丈夫、MS−FS2Kで鍛えた」なんて言いたくなるような妙な操縦でした。(もちろん、17歳じゃないので実行はしませんが) なんか事故か故障でもあったんですかね。
 妙に荒っぽい着地でようやく関空着。前述のように一番前の席だったので、先に降りた人が少なくて、どっちに行けばいいのか判断できず、適当そうな人についていったら国際線乗り換えロビーに出てしまいました(笑)
 おかげで、スーパーシートの特権のひとつ、「荷物が先に出てくる」は活かせず。まあ、後は自宅に戻るだけなので別に急がないからいいんですけどね・・

 関空から自宅へはJRと地下鉄を乗りついで1時間30分ぐらい。北海道に行くのと同じぐらいかかるんですよねぇ・・
 自動販売機で関空特急<はるか>の指定席(グリーン車にするか悩みましたが、乗車区間が短いので止めました)を購入。この自動販売機って便利なんですけど、他の駅でも普及しないもんですかね。
 1週間ぶりの大阪。「おぉ、雪が無い!」。実質5日間しか北海道に居なかったのですが、3回も転んだせいか、「道には雪があるもの、道は凍っていてすべるもの」というイメージが強く刷り込まれてしまい、なんだか感動してしまいました。

 そんなこんなで無事帰宅。全行程が終了しました。
 次の予定は・・・近場で、じっくり見たことの無い地元大阪の観光地を観光客に混ざって廻ろうか、南港の方にできた海系の博物館も行ってないし、大阪湾横断のジェットフォイルも押さえておきたい。ちょっと遠出して松山までYSで行って道後温泉でゆっくりして、<シーマックス>とか船舶LANを導入した事で一部で話題の<おれんじ8>なんてのも楽しいかも、と色々と考えてますが、なんにせよ、もうちょっと暖かくなってからのような気がします。(気候も懐も両方)