「特設艦船」とは、民間または政府の所有であるが海軍が徴用して使用する船舶を指します。
輸送船や病院船といった支援任務が主ですが、哨戒や偵察、あるいは通商破壊など戦闘任務やそれに準じた任務に就く事もあり、バルチック艦隊を発見した<信濃丸>や第一次世界大戦のドイツ仮装巡洋艦部隊など、華々しい武勲を残した船もあります。
さすがに太平洋戦争では、艦艇/商船の分化が進んだ事と軍事思想の関係から、特設艦船が一線で活躍する機会はありませんでしたが、後方支援要員が居ないと近代軍隊が機能しないのと同様、海軍に欠かせざる「縁の下の力持ち」として活躍しました。
日本海軍が徴用した船舶は豪華客船から漁船まであわせて1373隻242万総トン。このうち、836隻186万総トンが失われ、終戦時に残存していた船はわずか374隻14万総トンにすぎませんでした。(残りの163隻42万総トンは戦争中に解傭)
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